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木偶が入った二つの木箱を天秤棒で担いで移動し、街角で人形芝居を演じたことから箱廻しと呼ばれた。箱廻しには、正月に門付けした「三番叟・えびす」の祝福芸と、「傾城阿波鳴門」などの外題を街角で演じたものがあった。祝福芸は、五穀豊穣・商売繁盛・無病息災を祈り、人形芝居は民衆に娯楽を提供した。明治初年には、阿波の箱廻し芸人は二百人を数えたといわれ、彼らは、阿波系の人形文化を木箱に詰めて全国に運んだ。しかし、娯楽や生活様式の変化により、箱廻しは一九六〇年代姿を消した。 |
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